「国立台湾博物館南門園区」
2019/04/20
公園路に向かって南昌路一段を歩くと、赤レンガの壁が両端に広がって見えます。この辺りは、日本統治時代東アジア一の規模を誇った樟脳の加工製造工場「台湾総督府専売局台北南門工場」がありました。現在は、整備され国立台湾博物館南門園区となっています。
施設名:国立台湾博物館南門園区
住所:台北市中正區南昌路一段1號
ホームページ:https://jp.ntm.gov.tw/content_173.html
建物構成:「紅楼」・・・旧樟脳倉庫
「小白宮」・・・ 旧物品倉庫
「貯水槽」・・・旧防火貯水槽
歴史:「台湾総督府専売局台北南門工場」は1899年に建設。樟脳、アヘンの製造工場であった。1967年の樟脳事業民営化に伴い工場は閉鎖。2013年国立台湾博物館南門園区として一般公開
樟脳とは?
クスノキ(楠)の葉や枝、根を蒸留して作られる精油で、主成分は医薬、防虫、防臭、防腐剤、セルロイドの原料、火薬原料まで幅広く利用されていました。私たちが知っている有名なものとして、メンタームに入っているd-カンフルがあります。
地図:
戦前の台湾総督府専売局台北南門工場。写真は、Wikipediaより。写真からも当時は、大きな工場だとわかりますね。

南昌路一段の両端に赤レンガが続いています。歩道には、緑の木々が並んでいます。冬の時期でも緑が続いています。

それでは、園区に入ってみましょう。こちらは、紅楼です。日本統治時代には樟脳倉庫でした。壁の色はレンガ色ですが、地面もレンガ色です。

赤レンガに白い帯が特徴的な辰野金吾の設計です。彼は、東京駅の設計も携わっており、台湾でも辰野式の建物が多く残っています。

園区の配置図です。現在の敷地面積は全盛期の8分の1の広さになっています。

紅楼から見た小白宮です。元物品倉庫。レンガ色の地面と灰色の壁がコントラストになっています。

正面から見た小白宮です。灰色の壁は、外層の38cmの唭里岸石と内層の11.5cmの赤煉瓦から組み合わせされたものです。使用される唭哩岸石は取り壊された台北府城の城壁が使用されています。屋根瓦も印象的ですね。

今度は、中庭に入っていきます。そうすると、噴水があります。四百石貯水槽です。貯水槽の復元写真と説明板がありました。

四百石貯水槽は二度工場で起きた火事により1929年に建てられました。今となっては、噴水となっています。

時間毎に水が噴水から吹き上がります。紅楼は、現在、レストランとなっていますので、紅楼で食事をしながら噴水を見るのもいいかもしれません。

貯水槽と小白宮との間には久須乃木大神、開拓三神、大山祇命と北白川宮能久親王を祀る久須乃木神社という神社がありました。

在りし日の神社写真。背後の建物は、小白宮です。(写真は、国立台湾博物館-南門パークサイトより参照)

周辺にも日本統治時代の建物が多く残ってますよ!!
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